腎臓内科・透析・一般内科・在宅・その他のまとめ

主に自分向けの読んだ本・知識のまとめです。

初心者のための腎病理 事前情報のメモ

チェックする項目

  • 診断に必要な情報:年齢、腎炎パターン、ネフローゼパターン、selectivity index、出生体重

  • 重症度に必要な情報:たんぱく尿、GFRおよびその変化、CRP

  • 生活習慣病に関する情報(高血圧、肥満、糖尿病、喫煙、体格)

  • 先行感染、肝炎、喫煙、アルコール、薬歴、妊娠歴(PIH)、家族歴(Alport syn, Fabry dis,Mitochonria abnorm.)

 (解説)

  • 年齢、性別:加齢なのか老化(病気)なのか。細動脈硝子化は高血圧・糖尿病と関連が深い(老化)。小動脈硬化は年齢と喫煙に関連が深い(加齢と喫煙)。年齢は硬化糸球体数の意義を推測するのにも用いる。

  • 腎炎パターン、ネフローゼパターン、selectivity index:鑑別診断挙げるために。

  • 出生体重:低出生体重はFSGSのリスクファクター。また低出生体重は乳児死亡増加のみでなく、成人での心血管系疾患発症が増加することが知られている。

  • たんぱく尿、GFRおよびその変化、CRP:重症度判定。AKI合併ならばその原因を腎病理で説明つくか。CRPは腎炎の目安となる。ネフローゼCRP上昇していたら、悪性腫瘍合併も念頭に入れる。

  • 生活習慣病に関する情報(高血圧、肥満、糖尿病、喫煙、体格) 全てCKDの原因・増悪因子となる   

  •  先行感染が問題となる腎疾患:

  先行感染が発症のtrigger:MCNS、ANCA関連腎炎、IgAGN

  先行感染が発症要因:感染性腎炎(溶連菌、ブドウ球菌、PVB19)

  • 肝炎、喫煙、アルコール、薬歴

  肝炎・アルコール肝炎関連腎炎やIgAの鑑別に用いる。喫煙は細動脈硬化のリスク、薬歴は薬剤性腎障害。薬剤性の場合は様々なパターンがあるので注意

  • 妊娠歴(PIH)

  妊娠高血圧腎症はCKDの発症要因。PIHがひどいと線維化が進んでいる印象あり。